留袖の着物の身幅が足りないときはどうする?

姪の結婚式に自分の留袖を着る予定なの。
昔と体型が変わってしまったけど、洋服と違って着物は少しくらい体型が変わっても大丈夫よね?
着物あるあるですが、
着物を仕立てたときと体型が変わってしまう
主に身幅(横幅)が足りなくなってしまうパターン。
特にご自分の留袖をお持ちの方は、ご自分の結婚の際に嫁入り道具として誂えている方も多く、
留袖を着るのが、ご自分のお子様や姪御さん甥御さんの結婚式となる場合、
体型も変わっていて当然です。(私もです:心の声)
私の答えは

多少であれば特に問題無く着付けができます。
ただ、大きく着物の身幅が足りない場合は、気をつけて着付けてもきれいな仕上がりにできない場合があります。
この記事では
- 身幅が足りない着物を着たときの問題点
- 身幅が足りない着物を着付けるときに私が気をつけていること(特に留袖の場合)
- 身幅が足りない着物を着るときに確認してほしいこと
を解説していきます。
着物の身幅が足りないときの問題点と対処法
身幅が足りないときに発生する1番の問題点は
着物の裾がはだけやすくなり、椅子に座った際などに下着(長襦袢や裾除け)が見えてしまうこと
正面で重なっている着物の面積が少ないので、
大股で歩いたり、椅子に座ったりするときに
前が開いて、着物の中が見えやすくなってしまいます。
はだけないようにするには?
なるべく、はだけないように気をつけるには、
・小股で歩く
・前の合わせが開かないように、着物の内側で上前と下前を少し縫ってくっつけておく
などの対処法があります。
縫っておくと、歩きにくくなったり、お手洗いの際などが少し不便ですが、
大きくはだけてしまうことは防げます。
身幅が足りない着物を着付けるときに私が気をつけていること
お客様がお持ちになった着物の身幅が小さい場合、
腰から下の背中心の縫い目は、お客様の左側にずれますが、上前はいつも通りか少しだけ控えめくらいに、しっかり引いて合わせます。
上前も下前も褄をいつもより気持ち多めに上げて、しっかり裾すぼまりになるようにします。(身幅が足りないと、着ているうちに裾がだんだん広がってくるので、少しでもそれを防ぐため)
また、身幅が足りない場合、胸元も着物にゆとりが無い場合が多いので、着物の衿幅を少し広めにとって着付けることが多いです。
ただ留袖の場合は衿幅を広めにとると、衿の比翼部分の折り返しが少なくなってしまい、衿元が崩れやすくなるので、衿を事前に縫わせておいてもらえるかどうかでも加減しています。
身幅が足りない着物を着るときに確認してほしいこと
身幅が足りない着物を着る予定のときに確認してほしいことは、
- どの程度身幅が足りないのか
- 長襦袢の身幅も小さいのでは?
- 袋帯や帯締め、腰紐などの長さは大丈夫?
どの程度の身幅があれば着付けができるのかは、体型や着物、着付け師によって変わってきますので文章では説明しにくいですが、
着物を羽織って、上前の前の柄が正面にくるように合わせてみたときに、最低でも下前が着る方の前中心(両足の間くらい)まではないと、着付けること自体が難しくなります。
また、留袖と一緒に誂えた長襦袢も、身幅が小さい可能性があります。
小さいと衿元の合わせが開いてしまいやすく、
着物を着て過ごしているうちに、だんだんと長襦袢の白い半衿が見えなくなってしまいます。
小さめの長襦袢の場合は、着付けのときになるべく衿をコーリンベルトでとめさせてもらっています。
▼長尺もあります
また、お持ちの袋帯や帯締め、腰紐などの長さも短い可能性もあります。
袋帯は、ある程度は帯の結び方で工夫の仕方が色々あるので、着付け師の方が対応できる場合も多いと思います。
ただ、帯の柄の位置の調整(正面や二重太鼓のお太鼓部分に帯の柄のいい部分を出す)のは難しくなることもあります。
帯締めも、結べなくなるほど短いことはまず無いですが、短めの場合は房の位置が脇まで行かず、正面寄りの仕上がりになります。
腰紐についてですが、昔のものをお持ちの場合、普通体型の方でも結ぶのがギリギリの長さのものをお持ちになられることも多いです。
本数をたくさんお持ちくださっていれば、つなげて使うこともできます(つないだ結び目が体にあたると痛いのであまりおすすめはしません)
長尺の腰紐もあります。
仕立て直しに出さないと着れないのなら、着物レンタルを検討するのも
今後も着る予定の着物なら、仕立て直しに出されるのもいいと思います。
今後着る機会は無く、そのままで着れそうにないなら着物レンタルを利用するのもおすすめです。
ワイドサイズの着物も取り扱っているところが多いです。
よければ別記事も参考にしてください。
まとめ
小股で歩いたり、着物をはだけないように縫っておくなどの対処や
着付け方を工夫するなど、
留袖の身幅が足りないときの対処法や、着付けについて書きました。
ご親族の大切な結婚式を安心して過ごせるよう、
少しでも参考になれば嬉しいです。
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