着付け教室イコール着物を買わされるところ
というイメージを持っている方は多いです。
私が最初に通った着付け教室も、着物販売ありの教室でした。
教室のスタンスとしては「販売会はあるけど、無理にすすめたりはしません。 知識を増やしたりセンスを養うために勉強のひとつとして参加してください」という感じでした。
販売会がある教室って実際どんな様子なのか、私が通っていたときに感じたことや、販売会ありの教室に通っていた人から聞いた話をまとめたいと思います。
販売会がある教室ではどんなことがあったのか
※20年以上前の話なので、今は違うと思います。販売会がある教室すべてがこのとおりであるというわけではないし、一個人の感じたことと経験談として、これから着付け教室を探そうと思っている方の参考になればと思って書いています。
毎回試着をすすめられる
「どれを着てみます?」
反物の状態の着物を毎回どれかは試着してみましょう、ということになっていました。
業者の方や講師の先生が反物を体にあてて着付けてくれます。
はずしてもらわないと自分で脱げないので、着せられたままのときは、講師の先生や業者の人のセールストークを聞かないといけない感じでした。
まったく趣味と違ったり興味がなくてもひと通り聞いてました。
授業の時間が減る
数ヶ月に1回程度販売会がありました。そのときは通常90分の授業のうち、30分が「反物をみてお勉強しましょう」というふうになっていたました。
その分、授業の中で実際に習った着付けを練習する回数が減ります。
熱心に見ている(もう少しで買いそうな雰囲気の)生徒さんがいると、担任の先生が付きっきりになって、結局その回はまったく授業の時間が無いということもありました。
その回の授業の内容は次の授業のときにしてくれました。が、せっかく行ったのに授業はなく、ただ販売会だけに行ったのか、とその日は時間と交通費を無駄にしたと感じることもありました。私の心が狭いからかもしれませんが。
着物で出席のイベントで、教室で買った生徒さんの着物だけをほめる
これも私がそう感じただけなので、講師の先生はそんなつもりはなかったのかもしれません。
着物を着てみんなでお出かけするという教室のイベントで、
講師の先生が、教室で購入した着物や帯を着ている生徒さんだけを大げさにほめるということもありました。
自分の着ている着物に満足していても、なんとなくモヤッとしました。
リサイクル着物や譲り受けた着物を否定される
これも私がそう感じただけで、講師の先生はそんなつもりはなかったかもしれません。
リサイクルの着物を安く買った話や、親戚から譲り受けた着物の話などクラスの生徒同士でしていると、
講師の先生は
「すごくいいね!」みたいなリアクションはできないみたいで、
「やっぱり自分の体型に合ったものや、今の時代に着て出かけられるものでないとね」という反応でした。
でもまぁすごく失礼な言い方とかはされませんでしたけど、あんまり先生の前でそういう話はしないほうがいいなと感じました。
家族に怒られて教室を辞めてしまう
これは私が通っていたときのことではなくて、別の販売会ありの教室で着付けを習っていたという方の話なのですが、
販売会で無理やり買わされたりは無いと言っても、すすめられれば断りづらくて買ってしまうこともありますよね。
着付けが習いたくて着付け教室に通い始めたけど、「着物を買わされるから辞めときなさい」と最初の頃から家族に反対されていたそう。
それでやっぱり買ってしまったから、「だから辞めとけって言ったのに」となってしまった。
せっかく着付けが習いたくて教室に行ったのに、販売会があるせいで着付けも辞めてしまうのはもったいないです。
他のお店のものは相談しづらい
販売会が無い教室なら、先生に買おうと思っている着物や帯について相談したり、少しアドバイスをもらうこともできるかもしれません。
販売会がある教室だと、「〇〇のお店で訪問着を買おうと思っているけど」「リサイクル着物で探そうと思っている」など、他のお店で買う前提の話は先生に相談しづらいです。
自分の好みがわからなくなる
これは自分の好みがハッキリしていたり、ブレない人には当てはまらないと思うのですが、
人に流されやすかったり、影響されやすい人はこうなってしまうかもしれません。
何がセンスがいいのかわからなくなる。
販売会のものって似たような感じに思えて、
先生がみんな同じような着物を着ているようにみえる。
それがいいのかな?と思えてくる。
上にも書きましたが、先生が教室で買った生徒さんの着物は大げさにほめるのでそのコーディネートが理想なのかなと、よく分からなくなるということはありました。私だけかもしれませんが。
販売会がある教室のいいところは?
逆に販売会がある教室のいいところはなんだろう、と考えてみました。
- たくさんの着物を見れる
- 先生に相談しながら買える
- 染めの技法などの説明が聞けて勉強になる
なかなか自分で呉服屋さんに入っていってたくさんの反物を手にとって見せてもらう、というのは気軽にできることではないですが、販売会があればたくさん見ることができます。
また、披露宴に着ていっても大丈夫か、この季節に着ても大丈夫かなど、講師の先生に相談しながら購入できます。
他にも、反物がどんな技法で染められたのかや、織られたのかなど技法や工程の説明が聞けたり勉強になりました。
販売会の無い教室を探すなら
販売会がある教室の、いい面もありますが、
「着付けが習いたい」「着物をきれるようになりたい」という目的なら、
純粋に着付けが習える教室のほうがおすすめです。
- 着付け教室を個人でされている先生
- 大手だったら純粋に着付け教室として運営しているところ
別の記事にも書きましたが、個人でされている教室は着物販売をまったくしていないところが多いと思います。
また、大手でも純粋に着付け教室として運営しているところもあります。
必ずしもそうだというわけではありませんが、
講師や着付け師を目指そうと思ったら、
個人の教室より大手の教室のほうが道がしっかりとあるイメージです。
まとめ
今はクチコミやSNSなどで情報発信もできてしまうので、ひどいやり方や言葉で生徒に無理やり買わせるような着付け教室は無いと思います。
でも、無理に買わされることにはならないかもしれないけど、販売会がある教室ではこんなことがあるかもしれない、という教室を選ぶときの参考になれば嬉しいです。
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